家族信託においては、他にも適用できる税金の優遇措置がいくつかあります。家族信託は節税のために行うものではありませんが、既存の優遇措置で家族信託に利用できるものは押さえておきましょう。以下です。
①小規模宅地等の特例 居住用土地(上限330㎡)
・委託者(兼受益者)が居住していた自宅に、その子で
ある受託者が同居していた。
・委託者(兼受益者)の死亡により信託が終了し、信託
財産である自宅は子である受託者に帰属させる設計
→ 子に信託財産である自宅が遺贈されたとみなされ、
自宅敷地について、原則として評価額が8割減額され
る。
②小規模宅地等の特例 賃貸用不動産の敷地
(上限200㎡)
・委託者(兼受益者)の死亡により信託が終了し、受託
者である子に残余財産が帰属させる設計
・委託者(兼受益者)死亡時に、受託者へ信託財産であ
る賃貸用不動産が遺贈されたものとみなされる。
・原則的にその敷地の評価額が5割減額される。
③居住用不動産の配偶者控除
・委託者(兼受益者)の父親が、子を受託者として妻と
同居する自宅を信託する。
・委託者(兼受益者)が、信託中に受益権(当該自宅
に居住する権利)を妻に贈与
・2,000万円を上限とする贈与ならば、贈与税がか
からない贈与の特例がある。
※結婚期間が20年以上の夫婦間であること
前回 No.015でお伝えした「譲渡所得:信託中の居住用不動産の売却時の3,000万円控除 可」と「譲渡所得:委託者死亡による信託終了後に、帰属権利者が不動産売却するときの3,000万円控除 不可」の優遇措置に関するポイントとあわせて、上記①~③を押さえておきましょう。
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