No. 024 家族信託は税金対策にもなるの?

家族信託は委託者である親の財産を子世代等の受託者が預かって(信託譲渡)、同時に当初の受益者でもある委託者の生活維持のためにこれを管理・運用・処分する制度です。
信託のスタート時~信託継続中~信託終了時の各場面において、不測の贈与税・譲渡所得税・不動産取得税等の税負担が生まれないように配慮して、信託の設計を行う必要があるのは当然のことです。
しかしながら、税負担を回避するための対策として家族信託を利用することは、そもそも制度趣旨にそぐわないことになりますね。
したがいまして、信託のご相談の中で、そういった税負担回避の目的が窺える場合は、家族信託のご利用はお勧めできません。なお、家族信託においても受益者の所得税確定申告義務があります。また受益者における相続税や不動産の信託に関する登録免許税の負担もあります。
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No. 023 家族信託と任意後見との使い分けの目安はあるの?

家族信託は認知症対策に役立ちますが、最初から家族信託ありきでこれを検討することは早計です。
親世代の認知症対策として任意後見(子世代等の家族が任意後見人になる)のほうがふさわしい場合の目安をあげてみます、以下です。
✓親世代の身上監護(施設入居手続き、役所手続き、病院手続き)だけをしっかり行い
たい。
✓親世代の財産管理(身の回りの生活資金と自身の居住用の住まい)だけをしっかりや
りたい。
✓親世代は収益不動産(アパート経営等)を保有しておらず投資の予定がない。また財
産の承継は遺言や法定相続で足りる。
✓親世代の手元財産の管理(身の回りの生活資金、自身の居住用の住まい)と身上監護(施設入居手続き、役所手続き、病院手続き)だけの必要性がある。
✓親世代の管理したい財産が年金受給権、信託の扱いのない有価証券、農地等である。
家族事情や財産状況が上記のような場合は、家族信託でなくても実現できることから、家族信託ありきで検討をすすめるのではなく、任意後見(子世代等の家族が任意後見人になる)制度の利用もあわせて検討しましょう。
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No. 022 何を信託財産にするといいの?

金銭価値があるものなら信託財産とすることができます。以下のようなものです。
金銭、株式等の有価証券、金銭債権(譲渡禁止のものを除く)、貴金属や美術品、不動産(土地・建物、借地権等)、特許権等の知的財産権
これらの信託財産にしたものは、その種類ごとに分別管理の方法があります。以下のようです。
金銭、有価証券等や債権は、その計算がわかる方法(信託口口座を開設し、入り・出金を明らかにする)で管理します。 不動産に関しては、所有権を受託者に移転する登記は委託者と受託者が共同して申請をします。また、同時にする信託の設定登記は受託者が単独で行います。 自社株式等の未上場株式については、会社の株主名簿に信託財産である旨を記載して管理します。 貴金属や美術品は受託者の固有財産と信託財産とが区別できるように保管しましょう。 また、特許や自動車は登録して行います。
受託者は、信託財産について分別管理をする義務があります。分別というのは、受託者自身の固有財産と信託財産とをしっかり区別するという意味です。
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No. 019 信託財産… 「預金○○円」と記載することはできないの?
家族信託の対象にする財産を信託財産といいます。一番多いのは金銭、次いで不動産が多いわけです。信託財産にいれた財産内容は家族信託契約書に記載して明らかにします。 以下の様です。
第3条(信託財産)
1 本契約締結時に当初受益者から当初受託者に信託される財産は次に掲げる財産と
する。なお、本信託財産のうち不動産を「本信託不動産」、本信託財産のうち金銭
を「本信託金銭」という。
① 別紙「物件目録」記載の不動産
② 金銭 金3,000万円
2 本信託財産は前項の財産の他、次の各号に掲げる財産を含むものとする。
① 本契約締結後に本信託の目的を達成するために要するものとして、委託者と受
託者の書面による合意に基づき委託者が追加した財産。
② 本信託財産の管理又は処分その他の事由により受託者が得た財産、その他法令
で信託財産に属するものとされている財産。

信託財産のうちキャッシュは、契約書に「預金○○円」と書くことはできません。
「金銭・現金・○銀行○支店に預金されている普通預金口座残高相当額の金銭」といった記載方法でなくてはなりません。
また、不動産を信託して管理することが主たる目的である場合も、その管理に必要な金銭を併せて信託するのが一般です(例 固定資産税10年分の納税資金)。そうしないと、受託者は必要な都度、受益者と合意してその償還をうける必要がでてくるからです。
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No. 018 家族信託の目的が一番大事です。

家族信託を検討するときに、まず最初に家族信託の目的を明らかにする必要があります。これがポイントであり、一番大事なことがらです。
◎次のように定めます。
委託者兼受益者=父親
受託者=長男
信託財産=父親保有の金銭
第2条(本信託の目的)
受託者は第一受益者に対し、同人の健康で文化的な生活を送るために必要な財産的給付を行い、同人の健康状態の悪化、判断能力の低下の後においてもその生活を終身の間支援すること及び第二受益者へ円滑に財産の承継をすることを目的として、本信託における信託財産(以下、本信託財産という。)の管理、運用及び処分その他必要な行為を行う。
高齢者福祉型信託において、この条項は契約書作成において一番大事です。
信託契約であることを証明するためには、信託の目的を記載することが100%必要となります。
※信託の目的のポイント
①:信託の目的はある程度の幅を持たせて柔軟に定めたほうが使いやすい。
②:専ら受託者の利益を図る目的で設計された信託は、無効である。
◎注意例
父親が所有する金銭8000万円を長男に信託し、信託金銭から長男(受託者)が父親
名義で不動産を購入し、実際は、受託者である長男に当該不動産の無償使用を認める
場合には、それが「専ら受託者の利益を図る」状態であると認定されると、信託契約
自体が無効になるおそれがあります。
これは、名義不動産を使った贈与税回避目的の家族信託の設計であると認定されるお
それがあるわけです。
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