家族信託を検討するときに、まず最初に家族信託の目的を明らかにする必要があります。これがポイントであり、一番大事なことがらです。
◎次のように定めます。
委託者兼受益者=父親
受託者=長男
信託財産=父親保有の金銭
第2条(本信託の目的)
受託者は第一受益者に対し、同人の健康で文化的な生活を送るために必要な財産的給付を行い、同人の健康状態の悪化、判断能力の低下の後においてもその生活を終身の間支援すること及び第二受益者へ円滑に財産の承継をすることを目的として、本信託における信託財産(以下、本信託財産という。)の管理、運用及び処分その他必要な行為を行う。
高齢者福祉型信託において、この条項は契約書作成において一番大事です。
信託契約であることを証明するためには、信託の目的を記載することが100%必要となります。
※信託の目的のポイント
①:信託の目的はある程度の幅を持たせて柔軟に定めたほうが使いやすい。
②:専ら受託者の利益を図る目的で設計された信託は、無効である。
◎注意例
父親が所有する金銭8000万円を長男に信託し、信託金銭から長男(受託者)が父親
名義で不動産を購入し、実際は、受託者である長男に当該不動産の無償使用を認める
場合には、それが「専ら受託者の利益を図る」状態であると認定されると、信託契約
自体が無効になるおそれがあります。
これは、名義不動産を使った贈与税回避目的の家族信託の設計であると認定されるお
それがあるわけです。
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